女性だけの問題ではない、男性の貧血とその対策 [貧血に関すること]
女性だけの問題ではない、男性の貧血とその対策
私は男性ながら、
貧血気味でちょっと悩みを抱えています。
年齢は30代後半、
身長173cm、体重56kg
ということで痩せ気味です。
痩せ気味が
貧血にも影響しているかもしれないので、
最近では食べる量を意識して
少しずつ増やしているところです。
そんな私が、
貧血だと周囲に話すと、
大抵の場合、驚かれます。
世間一般的に貧血というと、
主に女性の病気?と思われがちですが、
原因によっては男性でも起こり得る、
身近な病気?だと思います。
私の場合は、
学生のころに
鼻血が止まらなくなったことがあり、
手当てを受けた病院の勧めで、
血液内科のある病院で、
骨髄検査を受けたことがきっかけで、
体質的に貧血であることが分かりました。
貧血の目安となる血液検査項目は、
ヘモグロビンが12-13くらいで、
男性の参考値よりも少し低いくらいです。
そのほかにも、
血液検査の結果、
いくつかの検査項目で、
正常値(参考値)から外れていましたが、
大きな逸脱ではないので、
特に問題ないでしょうとのことでした。
その当時は、
自分で血液疾患について調べ、
再生不良性貧血が一番目にとまり、
自分がその病気だったらどうしようと、
20歳前後のころに思い悩んだものでした。
結局は再生不良性貧血ではなさそう、
とのことでまずは一安心しました。
その後、貧血以外の症状で
悩まされることはありませんが、
年齢とともに貧血の症状が気になり、
20代の頃よりも仕事も遊びも、
無理が利かなくなってきました。
また痔出血が時々あるので、
貧血にさらに拍車がかかってきている
そんな気がします。
今回は、
自分自身の体に現れている、
貧血について、
改めて調べてみたので、
男性で貧血に悩んでいる方の為にも、
調べて分かったことを
まとめておこうと思います。
■貧血とは
■貧血の主な症状
■貧血の種類
■貧血の診断
■食事療法のポイント
■番外編、調理器具の工夫
■鉄欠乏性貧血について、その他の注意
■まとめ
■貧血とは
血液の働きで最も重要な仕事は、
酸素を全身に運搬することです。
この働きを司るのは、
血液中の赤血球にある
血色素(ヘモグロビン)です。
血液が酸素を運搬する能力は、
ヘモグロビン量とほぼ比例します。
貧血とは赤血球あるいはヘモグロビンの量が
正常より少なくなった状態で、
一括りに貧血とは言っても、
その原因によって多くの種類に分けられます。
私たちの身体は
酸素と栄養素をエネルギー源として
生命を維持しているため、
酸素の運搬が十分に行われなくなると、
あらゆる組織が酸素不足になり
さまざまな症状がでてきます。
■貧血の主な症状
代表的な貧血の症状を以下に挙げてみます
・疲れやすい
・めまい
・立ちくらみ
・動悸
・息切れ
・頭痛
・顔面蒼白
・耳鳴り
上記のようにさまざまな症状が現れます。
しかし緩やかに貧血が進行すると
自覚症状を伴わないこともあるので、
要注意です。
日ごろから自分の体の変化に
気を配っておく必要がありそうです。
また貧血の症状をよく見てみると、
これからの季節多くなる、
熱中症の症状とも似通っています。
どちらも放っておけない病気なので、
まずは予防して、
症状が出てきたら
すぐに対処できるようにしておきましょう。
■貧血の種類
1 鉄欠乏性貧血
ヘモグロビンの主な材料である鉄が不足し、
ヘモグロビンが作られなくなる、
そのためにおこる貧血です。
その原因は大きく4種類に分けられます。
・鉄摂取量の不足
欠食・偏食、無理なダイエット、
外食・インスタント食品の多食などの
食生活の乱れ等の原因により、
鉄や栄養素が不足します。
・鉄需要の増加
妊娠・授乳期は胎児の成長や母乳分泌に
鉄が多く必要になるため
不足が起こりやすくなります。
また、思春期女子では
急激な成長により血液量が増加し、
鉄の需要も増加して貧血になることがあります。
・過剰な鉄損失
月経(生理)過多や潰瘍、痔、ガンなどによる
消化管からの出血が原因となります。
男性の貧血の場合は、まず消化管出血を疑います。
また過剰ではないかもしれませんが、
発汗によっても鉄分は失われるので、
夏の時期や運動によってたくさん汗をかく時には、
貧血に陥る可能性が高まります。
・吸収障害
胃切除などにより胃酸の分泌が不足し、
鉄の吸収が障害されます。
2 再生不良性貧血
血液をつくる骨髄の働きが
低下するために起こる貧血です。
赤血球を含む白血球、血小板など、
すべての血液細胞が減少する病気です。
再生不良性貧血の場合、
重症度が低い場合には、
貧血と血小板の減少だけで、
白血球の数は正常近くに
保たれていることもあるそうです。
しかし重症化すると、
白血球の数も減り
細菌感染に対する抵抗力が低下します。
再生不良性貧血の主な症状は、
貧血と感染症による発熱、
出血などが起こります。
3 巨赤芽球性貧血
ビタミンB12、または葉酸が不足して
DNAの合成が阻害され、
正常な赤血球が産生されず、
異常な巨赤芽球が産生される貧血です。
・ビタミンB12欠乏性
ビタミンB12の吸収には胃液が必要ですが、
胃切除のような場合には、胃酸分泌が低下し、
吸収できなくなり
ビタミンB12の欠乏が起こります。
胃切除後およそ5年を経過すると
体内に貯蔵されていたビタミンB12が
枯渇して発症するといわれています。
またビタミンB12を宿主と競争して吸収する
寄生虫のサナダムシの寄生に
起因することもある。
・葉酸欠乏性
通常の食事をしていれば殆ど発症しませんが、
極端な偏食や大酒飲みの人にみられます。
4 溶血性貧血
赤血球の寿命は約120日と言われていますが、
赤血球の膜がそれよりも早く壊れて
ヘモグロビンが流れ出して起こります。
この赤血球が壊れることを溶血といい、
溶血が原因で起こる貧血なので、
溶血性貧血といいます。
溶血性貧血の典型では
皮膚や目が黄色くなる黄疸が特徴です。
原因としては、
細菌感染や何らかの毒素などがありますが、
アレルギー反応によるものもあるそうです。
そのほか身近な原因として、
マラソン選手や長距離歩行などの
足の裏の血管内で
自ら赤血球を潰してしまうことでも
起きることが知られています。
以上のように一口に貧血といっても、
多種多様です。
貧血をひとつの病気として捉えるのではなく、
さまざまな基礎疾患が原因となって起こる
ひとつの兆候として捉える必要があります。
そんな貧血の中でも
もっとも多く見られるのが鉄欠乏性貧血で、
貧血全体の60%~80%を占めています。
鉄欠乏性貧血は食事とのかかわりも大きく、
食事療法が有効な治療手段となっています。
■貧血の診断
まず、貧血の有無を調べるため赤血球系の検査を行います。
・赤血球数(RBC)
一定量の血液の中に含まれる赤血球の数を調べる検査
・ヘモグロビン濃度(Hb)
一定量の血液の中に含まれる
ヘモグロビンの濃度を調べる検査
・ヘマトクリット値(Ht)
一定量の血液の中に含まれる
赤血球の容積の割合を調べる検査
通常はヘモグロビン濃度が低下した状態を
貧血と考えます。
正常値(参考値)を下回った場合を
貧血と考えればいいでしょう。
また貧血の検査を受ける目安は、
先ほども出てきた自覚症状を
参考にしてみるといいと思います。
採血検査で貧血と分かったら、
さらに医療機関を受診して
その種類と原因を探る必要があります。
■食事療法のポイント
ここでは貧血の中でも頻度の高い、
鉄欠乏性貧血の食事療法について
考えてみます。
貧血の食事療法も1日3食、
栄養のバランスの良い食事を
規則正しく摂ることが基本です。
その上で、以下のポイントに注意し、
鉄分や造血に必要な成分を多く含む食品を
積極的に食事に取り入れるようにしましょう。
ただし、食事療法だけでは
貧血の速やかな回復が困難な場合が多く、
鉄欠乏性貧血の治療のため
鉄剤が処方されることがあります。
匂いや形状、大きさなどが理由となって、
鉄剤の内服が難しい場合は、
鉄分サプリを活用するのも
ひとつの方法として有効かと思います。
治療による効果がみられても、
鉄欠乏状態の改善や貧血の再発防止には
食事療法を根気よく続ける必要があります。
同時に生活習慣も見直していくと、
より効果的でないかと思います。
1 食事は1日3食規則正しく食べ、
偏食・減食・欠食は控えましょう!
必要以上のダイエットや食事抜き(特に朝食)が、
成長期の子供や若い女性の
貧血の原因になっています。
手軽だからといって、
インスタント食品に頼っていると
思ったほどの貧血改善に繋がらないこともあります。
あくまでバランスの良い食事を規則正しく、
基本に忠実が一番大切です。
2 毎食、主食・主菜・副菜などを組み合わせ、
栄養素をバランスよく摂るようにしましょう
・主食 炭水化物を多く含む食品
(ご飯・パン・めん類など)
・主菜 良質たんぱく質を多く含む食品
(魚介類・肉類・卵・大豆製品など)
・副菜 ビタミン・ミネラルを多く含む食品
(野菜類・海そう類など)
・その他 乳製品・果物類を適量摂りましょう
どれもバランスの良い食事としては、
特別なことはありません。
季節のもの、旬のものを偏らず満遍なく食べていると、
それだけで体調が良くなってくることもありますよ!
3 良質のたんぱく質を含む食品を選びましょう
たんぱく質は、
血液中の赤血球やヘモグロビンの
材料となる大切な栄養素です。
もちろん、
そのほかのビタミンやミネラル、
脂肪や炭水化物も重要です。
がしかし、
ここでは貧血対策として、
たんぱく質について取り上げます。
良質のたんぱく質を含む食品とは、
魚介類、肉類、卵、大豆製品、乳製品などです。
これらの良質なたんぱく質は、
体に良いからといって、
一度にたくさん摂っても
体の中に貯めておくことはできません。
なので、
毎食主菜(メインのおかず)に取り入れて、
食べるようにしましょう。
4 鉄分を十分に摂りましょう
食品に含まれる鉄分には、
吸収率の良いものと
(ヘム鉄:肉類や魚介類に含まれる)
吸収率のあまり良くないもの
(非ヘム鉄:大豆製品や青菜に含まれる)
があります。
鉄分は良質な動物性たんぱく質や
ビタミンCと一緒に食べると
吸収率が高まるといわれています。
日々の食事の中で、
できるだけ鉄分の多い食品を
意識して取り入れましょう。
5 造血効果のあるビタミン類を
十分に摂りましょう
・ビタミンCは、食品中の鉄が
体で利用されるために必要不可欠なものです。
・ビタミンCを多く含む新鮮な野菜や果物を
一緒に食べることによって、
非ヘム鉄の吸収率を高めることができます。
・ビタミンB12と葉酸は、
正常な赤血球を作るために必要な栄養素です。
ビタミンB12を多く含む食品
牛レバー、豚レバー、
魚介類、貝類、卵黄、チーズなど
葉酸を多く含む食品
牛レバー、豚レバー、卵黄、
大豆、納豆、ほうれん草、ブロッコリーなど
■番外編、調理器具の工夫
食品以外の鉄分補給として、
調理器具に鉄鍋や鉄製のフライパンなどを利用する
ということも有効かもしれません。
以前は「ひじき」が鉄分豊富と
よく言われていました。
しかし、近年の「ひじき」は、
鉄分の含有量が減ってきているといわれています。
その理由を探してみると、
「ひじき」に鉄分が豊富といわれていた時期は、
鉄鍋での調理が多かったそうです。
しかし最近では、
ステンレス製の鍋やフッ素コーティングなどを
施したフライパンなどを使うことが増え、
調理器具の変化が「ひじき」の鉄分含有量に変化として、
現れたのではないか、
と言われていました。
つまり、
鉄製のフライパンや鍋を使うと、
その調理器具から調理の過程で、
鉄分が溶け出し、
出来上がった料理の鉄分量が増えていた、
というのです。
本当かどうか真偽のほどは確かめようがありませんが、
鉄鍋、鉄製のフライパン、鉄製のやかんなど、
調理器具を替えるだけで、
鉄分補給になるのかもしれません。
■鉄欠乏性貧血について、その他の注意
緑茶、コーヒー、紅茶に含まれるタンニンは、
鉄分の吸収を妨げます。
食事中や食後は
渋いお茶やコーヒーを飲むのは控えましょう。
思春期・妊娠時・授乳期は、
鉄分の体内需要が高まる時期なので
より多くの鉄分が必要です。
高齢者は、食事量の減少による鉄分不足や、
胃液分泌低下により鉄の吸収が悪くなりがちです。
加齢とともに貧血リスクも高まりますので、
日ごろから注意する必要があります。
鉄欠乏性貧血の原因として、
食事以外の病気が潜んでいることがあります。
自己判断で食事療法に取り組むだけでは、
万が一病気が潜んでいたときには、
大きなリスクとなってしまいます。
たかが貧血と軽くみないで、
きちんと医師の診断を仰ぎ、
原因を探るようにしてください。
■まとめ
いかがでしたか?
貧血は身近な病気のようですが、
甘く考えていると、
大変な事態を引き起こしてしまいそうです。
貧血の主な症状もありましたが、
どれもよくありがちな症状なので、
つい気のせいかと勘違いしてしまいそうです。
貧血にもいくつもの種類があり、
鉄欠乏性貧血のように身近なものもあれば、
再生不良性貧血などのように、
重篤な貧血もあるようです。
また治療方法も色々あるので、
気になる症状があったなら、
迷わず病院を受診し、
血液検査を受けてみてください。
過信は禁物です。
自分の体のことは
自分でしっかり管理していきましょう!
そうすれば、
食事療法も効果が高まりますし、
継続しやすくなると思いますよ!
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私は男性ながら、
貧血気味でちょっと悩みを抱えています。
年齢は30代後半、
身長173cm、体重56kg
ということで痩せ気味です。
痩せ気味が
貧血にも影響しているかもしれないので、
最近では食べる量を意識して
少しずつ増やしているところです。
そんな私が、
貧血だと周囲に話すと、
大抵の場合、驚かれます。
世間一般的に貧血というと、
主に女性の病気?と思われがちですが、
原因によっては男性でも起こり得る、
身近な病気?だと思います。
私の場合は、
学生のころに
鼻血が止まらなくなったことがあり、
手当てを受けた病院の勧めで、
血液内科のある病院で、
骨髄検査を受けたことがきっかけで、
体質的に貧血であることが分かりました。
貧血の目安となる血液検査項目は、
ヘモグロビンが12-13くらいで、
男性の参考値よりも少し低いくらいです。
そのほかにも、
血液検査の結果、
いくつかの検査項目で、
正常値(参考値)から外れていましたが、
大きな逸脱ではないので、
特に問題ないでしょうとのことでした。
その当時は、
自分で血液疾患について調べ、
再生不良性貧血が一番目にとまり、
自分がその病気だったらどうしようと、
20歳前後のころに思い悩んだものでした。
結局は再生不良性貧血ではなさそう、
とのことでまずは一安心しました。
その後、貧血以外の症状で
悩まされることはありませんが、
年齢とともに貧血の症状が気になり、
20代の頃よりも仕事も遊びも、
無理が利かなくなってきました。
また痔出血が時々あるので、
貧血にさらに拍車がかかってきている
そんな気がします。
今回は、
自分自身の体に現れている、
貧血について、
改めて調べてみたので、
男性で貧血に悩んでいる方の為にも、
調べて分かったことを
まとめておこうと思います。
■貧血とは
■貧血の主な症状
■貧血の種類
■貧血の診断
■食事療法のポイント
■番外編、調理器具の工夫
■鉄欠乏性貧血について、その他の注意
■まとめ
■貧血とは
血液の働きで最も重要な仕事は、
酸素を全身に運搬することです。
この働きを司るのは、
血液中の赤血球にある
血色素(ヘモグロビン)です。
血液が酸素を運搬する能力は、
ヘモグロビン量とほぼ比例します。
貧血とは赤血球あるいはヘモグロビンの量が
正常より少なくなった状態で、
一括りに貧血とは言っても、
その原因によって多くの種類に分けられます。
私たちの身体は
酸素と栄養素をエネルギー源として
生命を維持しているため、
酸素の運搬が十分に行われなくなると、
あらゆる組織が酸素不足になり
さまざまな症状がでてきます。
■貧血の主な症状
代表的な貧血の症状を以下に挙げてみます
・疲れやすい
・めまい
・立ちくらみ
・動悸
・息切れ
・頭痛
・顔面蒼白
・耳鳴り
上記のようにさまざまな症状が現れます。
しかし緩やかに貧血が進行すると
自覚症状を伴わないこともあるので、
要注意です。
日ごろから自分の体の変化に
気を配っておく必要がありそうです。
また貧血の症状をよく見てみると、
これからの季節多くなる、
熱中症の症状とも似通っています。
どちらも放っておけない病気なので、
まずは予防して、
症状が出てきたら
すぐに対処できるようにしておきましょう。
■貧血の種類
1 鉄欠乏性貧血
ヘモグロビンの主な材料である鉄が不足し、
ヘモグロビンが作られなくなる、
そのためにおこる貧血です。
その原因は大きく4種類に分けられます。
・鉄摂取量の不足
欠食・偏食、無理なダイエット、
外食・インスタント食品の多食などの
食生活の乱れ等の原因により、
鉄や栄養素が不足します。
・鉄需要の増加
妊娠・授乳期は胎児の成長や母乳分泌に
鉄が多く必要になるため
不足が起こりやすくなります。
また、思春期女子では
急激な成長により血液量が増加し、
鉄の需要も増加して貧血になることがあります。
・過剰な鉄損失
月経(生理)過多や潰瘍、痔、ガンなどによる
消化管からの出血が原因となります。
男性の貧血の場合は、まず消化管出血を疑います。
また過剰ではないかもしれませんが、
発汗によっても鉄分は失われるので、
夏の時期や運動によってたくさん汗をかく時には、
貧血に陥る可能性が高まります。
・吸収障害
胃切除などにより胃酸の分泌が不足し、
鉄の吸収が障害されます。
2 再生不良性貧血
血液をつくる骨髄の働きが
低下するために起こる貧血です。
赤血球を含む白血球、血小板など、
すべての血液細胞が減少する病気です。
再生不良性貧血の場合、
重症度が低い場合には、
貧血と血小板の減少だけで、
白血球の数は正常近くに
保たれていることもあるそうです。
しかし重症化すると、
白血球の数も減り
細菌感染に対する抵抗力が低下します。
再生不良性貧血の主な症状は、
貧血と感染症による発熱、
出血などが起こります。
3 巨赤芽球性貧血
ビタミンB12、または葉酸が不足して
DNAの合成が阻害され、
正常な赤血球が産生されず、
異常な巨赤芽球が産生される貧血です。
・ビタミンB12欠乏性
ビタミンB12の吸収には胃液が必要ですが、
胃切除のような場合には、胃酸分泌が低下し、
吸収できなくなり
ビタミンB12の欠乏が起こります。
胃切除後およそ5年を経過すると
体内に貯蔵されていたビタミンB12が
枯渇して発症するといわれています。
またビタミンB12を宿主と競争して吸収する
寄生虫のサナダムシの寄生に
起因することもある。
・葉酸欠乏性
通常の食事をしていれば殆ど発症しませんが、
極端な偏食や大酒飲みの人にみられます。
4 溶血性貧血
赤血球の寿命は約120日と言われていますが、
赤血球の膜がそれよりも早く壊れて
ヘモグロビンが流れ出して起こります。
この赤血球が壊れることを溶血といい、
溶血が原因で起こる貧血なので、
溶血性貧血といいます。
溶血性貧血の典型では
皮膚や目が黄色くなる黄疸が特徴です。
原因としては、
細菌感染や何らかの毒素などがありますが、
アレルギー反応によるものもあるそうです。
そのほか身近な原因として、
マラソン選手や長距離歩行などの
足の裏の血管内で
自ら赤血球を潰してしまうことでも
起きることが知られています。
以上のように一口に貧血といっても、
多種多様です。
貧血をひとつの病気として捉えるのではなく、
さまざまな基礎疾患が原因となって起こる
ひとつの兆候として捉える必要があります。
そんな貧血の中でも
もっとも多く見られるのが鉄欠乏性貧血で、
貧血全体の60%~80%を占めています。
鉄欠乏性貧血は食事とのかかわりも大きく、
食事療法が有効な治療手段となっています。
■貧血の診断
まず、貧血の有無を調べるため赤血球系の検査を行います。
・赤血球数(RBC)
一定量の血液の中に含まれる赤血球の数を調べる検査
・ヘモグロビン濃度(Hb)
一定量の血液の中に含まれる
ヘモグロビンの濃度を調べる検査
・ヘマトクリット値(Ht)
一定量の血液の中に含まれる
赤血球の容積の割合を調べる検査
通常はヘモグロビン濃度が低下した状態を
貧血と考えます。
正常値(参考値)を下回った場合を
貧血と考えればいいでしょう。
また貧血の検査を受ける目安は、
先ほども出てきた自覚症状を
参考にしてみるといいと思います。
採血検査で貧血と分かったら、
さらに医療機関を受診して
その種類と原因を探る必要があります。
■食事療法のポイント
ここでは貧血の中でも頻度の高い、
鉄欠乏性貧血の食事療法について
考えてみます。
貧血の食事療法も1日3食、
栄養のバランスの良い食事を
規則正しく摂ることが基本です。
その上で、以下のポイントに注意し、
鉄分や造血に必要な成分を多く含む食品を
積極的に食事に取り入れるようにしましょう。
ただし、食事療法だけでは
貧血の速やかな回復が困難な場合が多く、
鉄欠乏性貧血の治療のため
鉄剤が処方されることがあります。
匂いや形状、大きさなどが理由となって、
鉄剤の内服が難しい場合は、
鉄分サプリを活用するのも
ひとつの方法として有効かと思います。
治療による効果がみられても、
鉄欠乏状態の改善や貧血の再発防止には
食事療法を根気よく続ける必要があります。
同時に生活習慣も見直していくと、
より効果的でないかと思います。
1 食事は1日3食規則正しく食べ、
偏食・減食・欠食は控えましょう!
必要以上のダイエットや食事抜き(特に朝食)が、
成長期の子供や若い女性の
貧血の原因になっています。
手軽だからといって、
インスタント食品に頼っていると
思ったほどの貧血改善に繋がらないこともあります。
あくまでバランスの良い食事を規則正しく、
基本に忠実が一番大切です。
2 毎食、主食・主菜・副菜などを組み合わせ、
栄養素をバランスよく摂るようにしましょう
・主食 炭水化物を多く含む食品
(ご飯・パン・めん類など)
・主菜 良質たんぱく質を多く含む食品
(魚介類・肉類・卵・大豆製品など)
・副菜 ビタミン・ミネラルを多く含む食品
(野菜類・海そう類など)
・その他 乳製品・果物類を適量摂りましょう
どれもバランスの良い食事としては、
特別なことはありません。
季節のもの、旬のものを偏らず満遍なく食べていると、
それだけで体調が良くなってくることもありますよ!
3 良質のたんぱく質を含む食品を選びましょう
たんぱく質は、
血液中の赤血球やヘモグロビンの
材料となる大切な栄養素です。
もちろん、
そのほかのビタミンやミネラル、
脂肪や炭水化物も重要です。
がしかし、
ここでは貧血対策として、
たんぱく質について取り上げます。
良質のたんぱく質を含む食品とは、
魚介類、肉類、卵、大豆製品、乳製品などです。
これらの良質なたんぱく質は、
体に良いからといって、
一度にたくさん摂っても
体の中に貯めておくことはできません。
なので、
毎食主菜(メインのおかず)に取り入れて、
食べるようにしましょう。
4 鉄分を十分に摂りましょう
食品に含まれる鉄分には、
吸収率の良いものと
(ヘム鉄:肉類や魚介類に含まれる)
吸収率のあまり良くないもの
(非ヘム鉄:大豆製品や青菜に含まれる)
があります。
鉄分は良質な動物性たんぱく質や
ビタミンCと一緒に食べると
吸収率が高まるといわれています。
日々の食事の中で、
できるだけ鉄分の多い食品を
意識して取り入れましょう。
5 造血効果のあるビタミン類を
十分に摂りましょう
・ビタミンCは、食品中の鉄が
体で利用されるために必要不可欠なものです。
・ビタミンCを多く含む新鮮な野菜や果物を
一緒に食べることによって、
非ヘム鉄の吸収率を高めることができます。
・ビタミンB12と葉酸は、
正常な赤血球を作るために必要な栄養素です。
ビタミンB12を多く含む食品
牛レバー、豚レバー、
魚介類、貝類、卵黄、チーズなど
葉酸を多く含む食品
牛レバー、豚レバー、卵黄、
大豆、納豆、ほうれん草、ブロッコリーなど
■番外編、調理器具の工夫
食品以外の鉄分補給として、
調理器具に鉄鍋や鉄製のフライパンなどを利用する
ということも有効かもしれません。
以前は「ひじき」が鉄分豊富と
よく言われていました。
しかし、近年の「ひじき」は、
鉄分の含有量が減ってきているといわれています。
その理由を探してみると、
「ひじき」に鉄分が豊富といわれていた時期は、
鉄鍋での調理が多かったそうです。
しかし最近では、
ステンレス製の鍋やフッ素コーティングなどを
施したフライパンなどを使うことが増え、
調理器具の変化が「ひじき」の鉄分含有量に変化として、
現れたのではないか、
と言われていました。
つまり、
鉄製のフライパンや鍋を使うと、
その調理器具から調理の過程で、
鉄分が溶け出し、
出来上がった料理の鉄分量が増えていた、
というのです。
本当かどうか真偽のほどは確かめようがありませんが、
鉄鍋、鉄製のフライパン、鉄製のやかんなど、
調理器具を替えるだけで、
鉄分補給になるのかもしれません。
■鉄欠乏性貧血について、その他の注意
緑茶、コーヒー、紅茶に含まれるタンニンは、
鉄分の吸収を妨げます。
食事中や食後は
渋いお茶やコーヒーを飲むのは控えましょう。
思春期・妊娠時・授乳期は、
鉄分の体内需要が高まる時期なので
より多くの鉄分が必要です。
高齢者は、食事量の減少による鉄分不足や、
胃液分泌低下により鉄の吸収が悪くなりがちです。
加齢とともに貧血リスクも高まりますので、
日ごろから注意する必要があります。
鉄欠乏性貧血の原因として、
食事以外の病気が潜んでいることがあります。
自己判断で食事療法に取り組むだけでは、
万が一病気が潜んでいたときには、
大きなリスクとなってしまいます。
たかが貧血と軽くみないで、
きちんと医師の診断を仰ぎ、
原因を探るようにしてください。
■まとめ
いかがでしたか?
貧血は身近な病気のようですが、
甘く考えていると、
大変な事態を引き起こしてしまいそうです。
貧血の主な症状もありましたが、
どれもよくありがちな症状なので、
つい気のせいかと勘違いしてしまいそうです。
貧血にもいくつもの種類があり、
鉄欠乏性貧血のように身近なものもあれば、
再生不良性貧血などのように、
重篤な貧血もあるようです。
また治療方法も色々あるので、
気になる症状があったなら、
迷わず病院を受診し、
血液検査を受けてみてください。
過信は禁物です。
自分の体のことは
自分でしっかり管理していきましょう!
そうすれば、
食事療法も効果が高まりますし、
継続しやすくなると思いますよ!
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