ふと空を見上げると、
青空に真っすぐ描かれた飛行機雲。
その雲を目で追いかけていくと、
雲を作っている飛行機を発見。
飛行機の高度によっては、
小さすぎて見つからないときも
あったりするけど。
でもそんな飛行機を探すのも
楽しみの一つだったりするのかも。
私の子供たちは、
雲の形をいろいろなものに見立てて
想像することを楽しんでいるようです。
飛行機雲は、
飛行機が出す排気ガスの煙
と思っている方もいるようですが、
実はきちんとした雲で、
煙ではないそうです。
積乱雲（雷雲・入道雲）などといった、
通常よく見る雲と分類上では違いますが、
飛行機雲が生まれる過程・理由を考えると、
きちんとした雲と呼ぶことに、
頷いていただけると思います。
さて、その飛行機雲。
一体どうして出来るのでしょうか？
大まかに分けると、
2種類のでき方があります。
まず1つ目は、
エンジンから出る排気ガスが作り出す雲です。
やっぱり排気ガス（オナラ？）じゃないか、
と思うかもしれませんが、
排気ガス＝飛行機雲というわけではなく、
排気ガスに含まれる水分が一定の条件によって
雲になるということです。
なので、
条件が整わなければ、
飛行機雲は発生しません。
飛んでいる飛行機を見つけても
飛行機雲が見えない理由はここにあります。
もし排気ガス＝飛行機雲となるならば、
飛行機の後ろには常に飛行機雲が
発生していることになるからです。
ここからは
ちょっと難しい話になってしまいますが、
気温は地上から100メートル高くなるごとに、
約0.6℃下がります。
ですから、飛行機の飛ぶ高度1万メートルでは、
地上より約60℃も気温が低く、
機内のナビゲーション画面にもあるように、
外はマイナス40℃以下の世界になっています。
このような状態で、
飛行機のエンジンが周囲の空気を吸い込んで、
圧縮・燃焼させ、
300～600℃となった排気ガスを出すと、
その中の水分が急に冷やされて凍り、
雲となって白く見えるのです。
冬の寒い日に息を吐くと、
白くなるのと同じことといえば
分かり易いでしょうか。
飛行機雲が出来る2つ目の理由は、
飛行機の主翼などの後ろに空気の渦ができて、
部分的に気圧と気温が下がり、
水分が冷やされるためにできる飛行機雲があります。
とはいえ飛行機雲は、
そんなに頻繁に見られるわけではありません。
飛行機の飛ぶ高さや上空の温度、
湿度、空気の流れなどの条件がそろわないと、
発生しないのです。
これが飛行機雲が見えたり見えなかったりする
理由というか違いだと思います。
ちなみに飛行機雲をよく見ていると、
ひとつに見える飛行機雲が、
実は何本も並んでいるように見えることがあります。
これは、飛行機雲が排気ガスや主翼によって
発生することから、
主翼の両端から発生すれば２本になるし、
排気ガスの出るエンジンが２つなら３本、
エンジンが４つなら４本というように、
いろいろな条件によって
実際の飛行機雲が何本も出来ているからです。
ちょっと余談で・・・
飛行機雲がすぐに消える場合は、
上空が乾燥しているために
晴天が続きやすく、
雲がなかなか消えない場合は
雨が降るのが近いと言えます。
飛行機雲を見ると
翌日の天気予報に役立つかもしれませんね！
消滅飛行機雲
空中に雲を描く飛行機雲とは逆に、
雲が薄く広がる中を飛行機が通ると、
雲が筋状になくなっていく。
これは消滅飛行機雲（しょうめつひこうきぐも）
または反対飛行機雲（はんたいひこうきぐも）と呼ばれる。
発生原因は、
飛行機の排出ガスの熱により大気中の水分が蒸発すること、
乱気流により周囲の乾いた大気と混ざること、
エンジン排気の粒子により水分が凍結し
落下することの3つが挙げられる。
飛行機雲にまつわる小話でした。
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